お金を残す経営とは

利益を確保し、お金を残す経営とは

~経営計画の考え方~

売上を分解して考えてみる

利益の源である売上は、どうしたら伸ばせるのでしょうか?

売上を分解して考えてみます。
ちょっと細かいですが、お付き合いください。
飲食店を例に考えてみます。

ご存知のように
売上高は、客数×客単価で表すことができます。

客数とは、実際の来店客数ですが、細かく見ると
 (固定客×来店頻度)+初回客
または、
(客席数×満席率)×客席回転率
と分解できます。

すると売上高は、
(固定客×来店頻度+初回客)×客単価
または、
(客席数×満席率)×客席回転率)×客単価
と考えられます。

そして、
客単価とは、(売上高/総販売点数)×(総販売点数/客数)

つまり1品平均単価×1人あたり平均買上点数
ですね。

とすると、売上高とは、
(固定客×来店頻度+初回客)×(1品平均単価×1人あたり平均買上点数)
または
((客席数×満席率)×客席回転率)×(1品平均単価×1人あたり平均買上点数)
ということにもなります。

なぜ、ここまで細かくみる必要があるのでしょうか?

それは、お店の戦略とかかわりがあるからです。
客単価を例にみてみましょう

客単価を売上高÷客数としてみるとどうでしょうか?

ちょっと、漠然としていませんか?

では、1品平均単価×1人あたり平均買上げ点数
としたら、どうでしょうか?

たとえば、

客単価を5,000円に設定するとします。
当店の1品あたり平均単価は900円としますね。
そうすると、5,000円÷900円で6品以上オーダーを取らないと、目標売上は達成できないということがわかります。


経営計画の基本的な考え方

また、ちょっと上とは離れますが、こうも考えることができます。
平均原価率が30%とすると、粗利益は3,500円ですね(5,000×70%)。

このお店は、計画では、人件費+諸経費が月400万円かかるとします。
月営業日数を25日とすると、1日当たりの経費は16万円になります(400万÷25)。

では、1日何人のお客様に来店してもらえるとよいでしょうか?

答え
16万÷3,500=45.71→46人

すると、1日46人お客様が来店し、1人6品オーダーしてもらえれば、収支トントンになります。47人目または46人までのお客様の7品目からが利益ということです。

そして、46人のお客様をどのように確保するのか、それが、上記の客数の考え方とかかわってきます。

経営計画書は、46人以上のお客様をどう集客し、どう6品以上オーダーしてもらうか、を数字として表したものです。

粗利益をしっかり確保するには

売上・原価(変動費)・粗利・固定費の関係を考えていくと、ヒントが見つかります。
たとえば、
原価600円のものを1,000円で売るとします。
すると、粗利益が400円残ります。この400円から人件費等の諸経費を300円支払うと、手もとに利益が100円残りますね。

この利益100円が、0円になる場合を考えてみます。

(1)100円値引きして900円で売る。
(2)原価を700円にあげる。
(3)諸経費が400円に増える。


いずれのケースも利益は0円になりますが、経営に与えるインパクトは異なります。
つまり、こういうことです。

(1)は10.0%値引き販売すると利益が0円になります(900円/1000円)。
(2)は原価が11.7%アップすると利益が0円になります(700円/600円)。
(3)は諸経費が13.3%アップすると利益が0円になります(400円/300円)。

いかがでしょうか?


ここからわかることは、1割引で販売すると、利益は0円になってしまうということです。
安易に値引き販売してしまうと、いくら売っても儲からない、といったことにもなりかねません。
したがって、以上のような考え方を基に売上計画を作成し、利益コントロールをしっかり行う必要があるのです。
もう、勘だけに頼った経営をする時代ではありません!